2008年11月26日水曜日

ワインメーカーの講義 ブレタノマイセス(馬小屋臭)について

私は合計で10つのワイン関連クラスをとっていますが、その中にProfessional Wine Judgingというワインジャッジングを学びました。そこではワイン判定の仕方が主なのですが、特に興味深かったのはゲストスピーカーとして実際にワイナリーでワインを造っている人からワイン作りや品種の特性を具体的に聞いた回でした。

特に内容が濃かった講義はParadise Ridge WineryのWMであるDan Barwick氏のもの。
ブリティッシュ イングリッシュそのものを使う英国人のワインメーカーも珍しいところです。その中の一つのトピックをご紹介します。

動物香、プラスチック、馬小屋などのニュアンスで、ごく少量ではヨーロッパワインの田舎臭と好意的に判断されることがあるのですが、基本的にはワインに悪影響を与える欠陥要素とされています。この原因の一つがブレタノマイセスという酵母の作用があります。

ブレタノマイセスという酵母は糖分をアルコール発酵せず、フィルターには自分の形を扁平に変えてくぐりぬけて取り除くのが大変なやっかいな酵母です。英語ではRogue Yeast(不良酵母と言い)特にカベルネソービニヨンを好んでくっつきます。とても注意しても時には1年に1樽ほどは発生してしまうとのことです。普通は樽を好み、ワイナリーがすみかと考えられていますが、実は畑からすでに始まっています。必ずブレタノマイセスを発生させているワイナリーは畑に圧搾後の果皮を畑にまくので、それが持ち込まれてワイナリーに常に発生してしまうのが現実です。

現代のワイナリーはどこに行っても常に清潔でいつでも機材を洗っていますが、オゾンは環境にも問題がなく水に溶かして利用すると、この接触ですぐに死んでしまうのでブレタノマイセスの発生を押さえているという興味ぶかい話もありました。

また別の回に触れたいと思いますが、塩素ベースの殺菌消毒はコルクダメジの誘引にもなります。生徒の中には自分でワインを作っている人も多いのでこのテクニックには質問が多くでました。

ワインジャッジのクラスはバックルームという裏方の仕事も学ぶので、必ず1回はブラインドワイン(銘柄を隠したワイン)の準備、ワインサーブ、その他の仕事に参加してこれも成績の一部になります。