2008年10月20日月曜日

オーキーでないシャルドネ   2008年10月

2008年10月

オーキーでないシャルドネ


カリフォルニアのシャルドネは時々あまりのボリュームと樽香りで、いったいこのワインはどんな機会に飲むのだろうと思わせて、私は限界を超えたシャルドネには降参することが多い。そんな中で値段も手ごろな上にエレガントなワインを作っているワインに出会うとうれしい。

Raymond Burr Wineryのシャルドネもそんなひとつ。
2006シャルドネはグリーンアップル、トロピカルフルーツ、柑橘系の香りが、古樽発酵と乳酸発酵のクリーミーな味わいと混じって長いフィニッシュにつづき全体的なボリューム感と香りと味わいバランスが良い。戸外の新鮮な空気は味わいを更に高めてくれた。

畑はドライクリークの斜面にあり、全体に広がる赤っぽい粘土質は水分を保つ。この斜面の畑では保水性がとても重要なキーを果たしている。斜面の畑のおかげで春の霜の被害からも免れ、表面的な水はけは良く、しかし深いところで保水するという構造となっている。畑はいわゆるサステイナブルファーミングやエコ環境保全に熱心にとりくんでいる。移動が多いワインメーカーの中で、フィリス・ズーズニスはこのワイナリーに20年以上もいるおかげで彼女らしいハウススタイルを作り上げている。
 

ドライクリークにあるLambert Bridgeもオーキーでないシャルドネを作っているワイナリーとして紹介したい。こちらも女性のワインメーカーであるジル・デービスは100%フレンチオークの新旧樽を使って発酵、乳酸発酵を行っている。2006シャルドネは複雑さを得るためにブドウを全房プレスして新旧の100%フレンチオークで醸造したもの。梨、りんご、スパイスとかすかで上品な樽のニュアンスが感じられる。オークはタンニンや樹脂香などを取るために熱湯につけて余分な香りを取り除いてから樽を成型するという特注の方式で作られたものを使用している。おかげで、粗い木質的な香りやスパイスはなく、ブドウのアロマやブーケと相まってエレガントが味わいのワインに仕上がっていて美味。

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