2011年9月6日火曜日

岩の原葡萄園

新潟県、直江津から30分ほどで岩の原葡萄園に来た。8月末で思ったより暑い。





ブドウ畑は斜面を利用してツーワイヤーで上から垂れ下がるような形と棚式栽培がワイナリー近くの畑だった。日差しが強ければ強いほど、葉の勢いが強いので葉にかくれた果実や棚式の下の果実は葉影でブドウの完熟からくる凝縮した豊かさにはやや無理がありそうと予感した。

また、雨除けのシートがかかっていて、茂る葉とともに蒸れている感じだった。



ワイナリーは新潟の雪を使った冷却室や(現在のワインづくりの使用感はない。

温度調整のできるタンクを他で使っているはず)、や地下を掘ったセラーには

先人のワインづくりの工夫が見えた。


2008 ヘリテジ(プレミアムワイン)というワインを試飲した。ベイリーAという交配品種がメインでブドウジュースのような食用ブドウのような甘口の香りに軽いタンニン。カベルネフランの青臭さと品種の多少のカビくさいような香りが混じった土着系品種独特の香りと味わい。


ワインはともかく、テイスティングルームの試飲グラスの小ささに驚愕。

小指の大きさもない円錐形で味や香りの評価は全く無理。これは無いでしょう!


有料のテイスティングでやっと普通のテイスティンググラスでが、

ほとんどの人が店で提供しているミニグラスを使っていた。観光客向けとはいえ

世界中のワイナリーでこのオモチャのようなワイナリー体験は初めてで

ワインを本気で試してみたい人には残念。


ジンファンデルの発祥地のアマドアやエルドラドあたりのワイナリーを

訪ねたときと共通する、初期のブドウ栽培とワインづくりを試みた土地の

ややさびれた素朴さや歴史を知る場所だと思う。

2011年7月22日金曜日

南仏特集

前期のまとめは夏らしい気候がもっとも似合う南仏特集でした。まずはしっかり冷えたバロン・ド。ロッチルドのシャンパーニュは夏のぜいたく。ワインは前回のローヌのつづきでコルナス、ジゴンダス、そしてプロヴァンスのロゼ、ピックブール・ド・ピネ、映画モンドヴィーノで取り上げられたカベルネベースのドマ・ガサック、ラベルから地中海の明るさが伝わるコリウールのパスコーレとシャプティエのバニュルス。 

ポール・ジャブレのコルナスは1997で熟成が進んでレンガ色のエッジで香りも熟成香と堆肥のような有機香をともなう落ち着き、チェリープリザーヴのような香りもまざって古いブルゴーニュと間違えそうな香りだが、タンニンの感じがやはりシラーらしい。ドマ・ガサックは新しい感覚で新世界っぽい。カベルネの味わいにシラーの明るさが加わる。パスコーレはジゴンダスと同じグルナッシュ100%であるが、こちらの方が凝縮感がある。ピザにはジゴンダス、グリル料理にはパスコーレといったグレード感の違いが明白で面白い。

バニュルスはポートワインなどに比べると、軽めの甘口でオレンジチョコを凝縮したよう。

2011年3月6日日曜日

ニュージーランド

夏の終わりのニュージーランド。地震から1週間もたたない半旗のかかった時期ではあったものの、予定通りに北島を訪問した。4年ぶりのニュージーランドだったが、おおむね変化なく、ゆったりとした時間と景色。今回はポニーの出張で取引先のテマタ・エステートとマードック・ジェームスを中心にホークスベイとマーチンボロに行った。ホークスベイの2010年はかなり雨の多かった年とのことで、丘には緑があふれていた。羊たちは例年のスケジュールで売りに出されたとかで緑の丘にあふれるような子牛を見ることはなかった。






テマタの選ばれた畑のロケーションや、マードックジェームスの斜面の畑や土壌、風を実際に見て、ワインのラインナップをテイスティングできたのは大きな収穫だった。






あちこちの風景がソノマに良く似ていて、南半球であることの緯度の違いや南極に近い西風の影響や雨がなければ、ソノマと勘違いしそう。






個人的なことでいえば、ラムの大好きな私は車で見る子牛をその運命を感じて愛らしさに可愛そうに思ったのに、夕食には毎晩ラムのステーキ、ラムラック、ラムシャンクの煮込みなど4頭も食べたことになりありがたく、申し訳なく満喫させていただきました。ラムちゃんにとってはラ・ミゼラブル・・

2010年8月21日土曜日

酷暑と冷夏



ワインカントリーは70年ぶりの冷夏とかで、外は特に寒い。ナパのブドウ栽培家のダグ・ヒルやモンダビの栽培家は、今年はブドウの収穫が約2週間は遅れていて、8月中旬になって黒ブドウはやっと色づきが始まる予測とのことです。東京の酷暑と寒いサンフランシスコ、寒暖の差が激しいワインカントリーと、この夏は気温が20度程度も差があるところを往復しました。ブドウ畑にかこまれたゴルフ場はワインカントリー景色満点。久しぶりにのびのびゴルフを楽しみました。寒くなる東行きは、厚着でしのげるものの、蒸し暑い東京の温度にはすっかりまいっていす。もっとも、そのおかげ?で家で仕事がはかどります。


アイフォンアプリの「ワインの達人」のコンテンツを冷房の利いた部屋で書きまくっています。すでにアイフォンでは、このアプリはダウンロードできますので遊んでください。こ難しいことを、なるべくやさしく解決することに苦心してます。

2010年3月2日火曜日

ラジオ・コトー (Radio Coteau)



今年は欧州やアメリカ東海岸の猛雪、カリフォルニアは5年ぶりという大雨の冬で、東京にとどまっていましたが、そろそろ春芽もでるころでソノマに戻りました。2月末というのに桜は7分咲きで、一足早い花見。 ブドウ畑は剪定もすっかり終わって、春芽の準備万端といったところです。





こういう時期はワイナリーは暇なので、訪ねるにはピッタリ。今日はセバストポルのラジオコトーに行ってきました。5-6年前にホスピス・オブ・ソノマの出展の中で輝いていたワインでいつかゆっくりと訪ねたいと思っていたところでした。ワインメーカーのエリックサスマンが2009年の樽からシャルドネ、ピノノアールを味わわせてくれました。なにしろ、まだ樽に入って5ヶ月程度のものですが、それぞれの個性と可能性を感じさせるものでバレルテイスティングは面白い。






ここは完全なバイオダイナミック(畑も醸造も)で、ボトルにカリフォルニアのバイオダイナミックのマークが許されている。小さいながらも自前のボトリングもあり樽から壜づめもできる、いわゆる本格的な手作りワインで、丁寧な作りが秀逸。大手が多くなってゆくか、大きくなりたいところが殆どの中で製品に丁寧なつくりを感じさせる。味わいも、畑ごとの個性が違い、ピノノアールの幅の広さと奥行きを堪能。






2009年9月9日水曜日

不景気

私がソノマに最初に来た1991年以来、20年近くも通っていたソノマプラザのSonoma Wine Exchangeの様子がおかしい。棚はガラガラで室内全部のワインを合わせても10ケースある程度。もう逃げ足感がひしひし。。ここのダンとは長く知っているけど「もうワインは売れない」と店閉めモード。彼のところから送ったワインは今まで何の問題もなく東京に届けられ、アメリカで最も大事な「信頼感」があった店だけに少なからずショック。彼らの泣きそうな顔に気の毒ながらもやは選ぶワインはなくなっていた。ほんの2ヶ月前の6月に顔を出したときには変わらなかったのに。

ワイナリー直売も年々国内に広がり、スーパーマーケットなどのワインの扱いは多くなり、観光客相手だけでは商売にならないのが本音のようだ。ナパのワインショップのように観光バスが止まるようなところでさえ10年前のようなカルトワイン抱き合わせの姿はない。オーパスワンやシルバーオークなどの有名ワイナリーは相変わらず観光客で混んでいるが地元の人を対象にした良心的なお店が姿を消しつつあるのは本当に残念。一見さんだけを相手に値段をふっかけたワインショップが華やいでいるのを片目でみつつ、値段と価値の見合うワインを良心的に販売するお店探しを始めている。多分、これは日本の小さな酒屋さんと同じ状況なんだろう。

2009年6月1日月曜日

タイサンボク

新型インフルエンザの影響でどうしようか、、と決めかねていたものの、空港隔離措置が解除になったので予定どおり5月末からソノマにやってきております。毎度のことながら緑豊かな静かな環境にホッとします。家のまわりの木々もうっそうとしてきました。ブドウ畑も若々しい新緑の畝に戻り、新しく伸びた枝にはちいさなブドウがついています。昨日車でちらっと見た家の近くに大きな木からハンカチのように白い花が目立っていたので、戻って見に行ったら、なんとタイサンボクの大きな花でした。 マグノリアはアメリカ南部に多く咲く花ですがこんなに大きな花を見たのは初めてで驚きました。 夏場は白ワインが胃にやさしいのですがシャルドネやソービニヨンブランの値段が気付かない程度の幅でに長年にわたって少しづつ上がってきているのでスーパーでさえデイリーのワインが20ドル後半になってきております。